仮設入居6年目から各世帯判断「特別延長」へ

仙台市は東日本大震災の被災者向け仮設住宅の入居期間に関し、市一律の延長は現行の5年までとし、6年目からは世帯ごとに判断する「特定延長」に移行する 方針を固めた。新年度内には市の災害公営住宅が完成するなど、生活再建に向けた住宅環境が整うと判断した。現在の生活再建推進プログラムは新年度、NPO などと連携して支援内容を拡充する「加速プログラム」に改訂する。
市内の自宅が被災し、市内外のプレハブ住宅や民間賃貸などのみなし仮設に住むのは、現在約5100世帯。このうち、具体的な再建計画はあるが、工事の遅れなどの事情で入居期限の5年以内に仮設住宅を出られない世帯に限り、入居期間を1年延長する。
災害救助法に基づく仮設住宅の入居期間は原則2年で、自治体の判断で延長されてきた。宮城県内で5年に延長したのは仙台、石巻、気仙沼など14市町。県は21日、復興が進む自治体では特定延長を導入する方針を示した。
仙台市外の自宅が被災し、市内の仮設住宅に住む約2400世帯の入居期間は、自宅があった自治体の方針に準じる。
市内の仮設住宅の入居者の中には、健康や家族関係に問題を抱え、生活再建の方針が決まらない世帯が一定数あることから、支援策も強化する。
具体的には、高齢者や障害者が住まいを探す際に、市の依頼を受けたNPO職員が同行するサービスを新設。民間賃貸住宅への入居希望世帯向けの相談会を開くほか、情報誌も配布する。相続など法的な手続きが必要な場合に備え、弁護士を選任する。
仙台市が2016年3月までに整備する災害公営住宅は、全3206戸のうち2773戸で入居者が決定。残りも今後、一般抽選で入居者が決まる。防災集団移転と一戸建て災害公営住宅の建設に伴い、市が造成する7地区390宅地の工事の進捗(しんちょく)率は約8割。

タイトルとURLをコピーしました