宮城県は6日、東日本大震災の被災者向けに建設した約2万2000戸の仮設住宅について、外構を含めた1戸当たりの工事費が現時点で平均552万円に上ることを明らかにした。
県が寒さ対策として進める断熱材の追加や窓の二重サッシ化、風除室設置などの費用は含まれておらず、平均費用はさらに膨らむ見通し。
1戸当たりの最高額は、女川町の大石原地区(6戸)で1074万2000円。最も安かったのは、東松島市の「グリーンタウンやもと」団地内の1区画、56戸で291万円だった。
県によると、大石原地区は敷地が二つに分かれているため、電気、水道などのインフラが2系統必要になり、工事費用が膨らんだ。グリーンタウンやもとは工業団地で、インフラ関連が既に設置されていたことなどがコスト抑制につながった。
年内の完了を目指している寒さ対策の費用は現段階で未定という。県は「これまでの住宅地が被災し、建設用地を山手に探さなければならなかった事情に加え、土地の条件はそれぞれ異なる。整備費用の開きはやむを得ない」(震災援護室)と説明している。
国は、外構工事を含まない建物本体の標準価格(2DKタイプ、約30平方メートル)を238万7000円に設定。宮城県は、断熱材や水道の凍結防止など、寒冷地向け機能を加えた標準単価を264万3000円と見込んでいる。