仰天ごほうび、なでしこスタジアム建設

 ロンドン五輪キップを獲得した「なでしこジャパン」の“聖地”となる新スタジアムの建設計画があることが12日、分かった。有力候補地は、東京・練馬区の遊園地「としまえん」敷地。W杯制覇に続き五輪で金メダルを狙う「なでしこ」にとって、ビッグプレゼントとなる。一方、中国から帰国したなでしこの佐々木則夫監督(53)は、五輪代表入りを目指す選手たちを“世界行脚”で視察する方針。安藤梢(29)=デュイスブルク=ら4人は、所属クラブのある欧州へと向かった。
 勝手に名付けるなら『なでしこスタジアム』だ。日本サッカー協会関係者らの話で、夢の競技場建設計画があることが分かった。
 「“なでしこの聖地”をつくりたいね」
 「なでしこ」が帰国したこの日、都内のホテルで開催された「日本サッカー協会創立90周年記念パーティー」で、出席者たちが口にした。W杯優勝という偉業の記念事業として浮上したのが“聖地”建設だ。
 これまでの女子のホームは東京・西が丘サッカー場。収容7000人ほどで、男子の聖地・国立競技場の約5万人の7分の1しかない。しかし、人気沸騰する女子の“聖地”に見合うべく、関係者は2万5000人規模の競技場を想定する。
 具体的な候補地は定まっている。東京・練馬区の遊園地「としまえん」がある敷地だ。広さ約22ヘクタールで西武ホールディングス(HD)が保有するが、東京都が買収交渉に乗り出すことを決め、防災対策を重視した都立公園としての再整備を計画。日本サッカー協会などが、ここに競技場建設を働きかける案がある。
 東京都建設局は「10年以内の都立公園としての事業認可を目指している。どういう施設ができるかは何も決まっていない」と説明。ただ、東日本大震災の際に味の素スタジアム(東京・調布市)が避難所になるなど、競技場は防災面で役立つ側面もある。また東京都は、五輪招致に向けて新スタジアム建設の検討を繰り返しており、計画に盛り込まれていく可能性は十分だ。
 西武HD広報部は「都からそういう話は来ていない。としまえんは変わらず営業を続けます」とし、先行きは不透明。だが、首都東京の新スタジアム誕生は日本サッカー界の悲願でもある。12年後の2023年、日本招致に成功した女子W杯で、45歳になった沢が日本の監督として、『なでしこスタジアム』で指揮しているかもしれない。

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