調査会社のJ・D・パワー・アジアパシフィック(東京都港区)が15日に発表した2011年の法人向け携帯電話・PHSサービスの顧客満足度調査によると、NTTドコモが3年連続でトップになった。一方、今回初めて実施したスマートフォン(高機能携帯電話)利用企業の満足度については、通常の携帯電話に比べて低いとの結果が出た。
調査は今年6月に実施。従業員100人以上の企業に対し、(1)コスト(2)営業窓口の対応(3)サービス品質(4)サービス内容-の4項目について1000点満点で採点した。有効回答数は3214件。
トップのドコモは653ポイントで、営業窓口の対応(670ポイント)、サービス品質(695ポイント)、サービス内容(679ポイント)の3項目で首位を獲得した。2位のKDDI(au)は626ポイントで、コストの項目ではドコモを上回り首位だった。
業界平均は619ポイントで、3位のソフトバンクモバイルは562ポイント、4位のウィルコムは556ポイントとなり、平均を下回った。1、2位グループ合計と3、4位グループ合計の点数格差は、3年間で62ポイント拡大した。
一方、携帯電話・PHS利用企業のうち19%がスマートフォンを導入。導入予定も含めると47%の企業が利用意向を示した。ただ、スマートフォン利用企業の満足度は通常端末に比べて低く、その要因として、担当者の顧客企業に対する理解力やサービスの知識の低さがあるとしている。
この結果について、J・D・パワーでは「スマートフォンは、顧客に多様かつ高度なサービスが提供可能だが、通信事業者の営業担当部門が顧客ニーズに対応し切れていない」と分析。サポート体制強化を急がないと、スマートフォン利用の満足度向上は困難とみている。