企業は再流行を警戒、出社拡大に慎重 解除週明け“兵庫”再始動

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が兵庫県で解除されて最初の週明けとなった25日、県内の主な企業は在宅勤務を維持しながら、出勤拡大に向けて感染防止を徹底する両面の対応を迫られた。第2波への警戒感から出社の全面解禁には慎重。ITを生かしたテレワークの効果と課題を検証してオフィス、在宅勤務のバランスを探る。(大島光貴、長尾亮太) 【写真】100年前、12歳少女がつづったスペイン風邪日記  自宅にいながら、オンラインで会社のソフトウエアを操作し、タイヤの性能をシミュレーション-。TOYOTIRE(トーヨータイヤ、伊丹市)は、設計者も4月から在宅勤務を続ける。先行技術開発部の田中嘉宏部長は「データの分析など、深く考える時間が増えたようだ」と前向きに受け止める。  一方、「経験の浅い人への教育は在宅では難しい」とも指摘する。同社は6月1日に事業所の閉鎖を解く予定で、引き続き在宅勤務が可能な従業員かどうかを部門ごとに検討して決めるという。  住友ゴム工業(神戸市中央区)は、本社の在宅勤務を5月末まで続ける。ただ、紙の伝票や会社固定の設備を使う業務は出社しないと仕事にならないため、6月以降は部署ごとに対応する。  産業用ベルトメーカー、バンドー化学(同)の吉井満隆社長は「テレワークに取り組み、意外とできることがわかった。仕事ぶりの評価など課題はあるが、働き方の選択肢として織り込まれてくる」と話す。  出勤する従業員に対しては、山陽特殊製鋼(姫路市)が、玄関や職場の入り口にサーモグラフィーや非接触の体温計を置き、検温を徹底している。ガラス瓶メーカーの日本山村硝子(尼崎市)は、会議室を業務に充て、机の周りについたてを置いて飛沫(ひまつ)感染を防ぐ。  システム開発のさくらケーシーエス(神戸市中央区)は、職場とは別に自宅近くの事務所への出勤を認めるなどし、「3密」を回避する。川崎重工業(同)は25日、県内でおおむね通常通りの勤務に戻したが、テレビ会議や電話会議を積極的に活用する。

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