全国に名だたる戦国大名の伊達氏、上杉氏ゆかりの自治体代表者らが集う「南奥羽 城下町サミット」が26日、米沢市の伝国 の杜であった。米沢、仙台、福島、会津若松、伊達の5市の市長らは、城下町ならではの景観や史跡を生かした街づくりをさらに進め、都市間の交流を深めてい く重要性を確認した。
米沢市教委の主催で市民ら約100人が参加した。米沢は仙台藩祖伊達政宗の生誕地で、伊達氏の後を上杉氏が治めた歴史を持つことから初めて企画した。
米沢市の安部三十郎市長が「米沢・城下町らしさの取りもどし」と題して基調講演。「天守閣がなく城下町風情が乏しいので、景観づくりのハード面と精神性を高めるソフト面の両方の取り組みに努め、誘客を進める」と述べた。
パネル討論で、伊達氏が最初に築いた居城、梁川城跡のある伊達市の仁志田昇司市長は「歴史遺産の掘り起こしに取り組んでいる最中。来訪者や市民が歩きながら探訪し、健康づくりにもつながる元気な街を目指す」と話した。
仙台市の奥山恵美子市長は「仙台城跡のある青葉山の景観を守り、外国人にも理解できる案内板を整備している。さまざまなイベントを展開し、にぎわいを感じてもらう」と語った。
福島市の安斎睦男副市長は米沢藩時代の米蔵を復元した事例を紹介し「歴史的建造物の活用で中心市街地活性化を図る」と語った。
会津若松市の室井照平市長は1992年に制定した景観条例を踏まえ「市民一人一人が景観を守り、つくり、育てる地道な努力が大切だ」と強調した。