仙台市博物館(青葉区)は13日の地震で、庭にある仙台藩祖伊達政宗の胸像が被災し、かぶとの三日月の前立てが折れた。建物も浸水やひび割れなどの被害が大きく、当面の間、臨時休館となった。
博物館によると、前立ては強い揺れで先端から64センチが折れて落下し、約半分の大きさに損傷した。東日本大震災時は胸像自体が台座から落ち、前立てがゆがむなどしたが、折れる被害は建立以来初めてという。今後、修繕方法を検討する。
胸像は政宗の300回忌に当たる1935年、初代騎馬像として、仙台城の本丸跡に建立された。戦時中の金属供出で胸から上だけとなり、86年に現在の博物館の敷地に移設された。
建物内はスプリンクラーが故障し、1階フロアが1センチほど浸水。展示物のガラスケースにも多数のひびが入った。利用再開には数カ月かかる可能性がある。
博物館は大規模改修で2019年12月末から約3カ月、新型コロナウイルスで20年4月から約1カ月休館し、8月には防煙用ガラスの落下で10月まで休んだ。
高橋あけみ副館長は「楽しんでもらえるようになったばかりで再び休館し、非常に残念だ」と話した。