仙台市中心部のアーケード商店街から客引き・スカウト行為をなくそうと、市中心部の8商店街は14日、注意を呼び掛けるアナウンス放送を始める。市が年内制定を目指す客引き禁止条例を見越し、飲食店と通行人に客引きなどの行為は原則的に違法・条例違反に当たると周知するのが狙い。商店街関係者は「安心して歩ける街にしたい」と意気込む。
放送を企画したのは、8商店街でつくる市中心部商店街活性化協議会。14日午後5時から約1時間ごとにアーケード商店街内で放送する。
ナレーターを市の観光PR集団「伊達武将隊」の伊達政宗が務める。店側などに「客引き・スカウト行為は犯罪じゃ。今すぐやめよ!」と警告し、通行人には「客引きに耳を傾けてはならぬ!」などと注意喚起する。
協議会はこれまで仙台中央署などと協力し、商店街に客引き禁止のポスターを掲示したり、若手警察官を「DJポリス」として出動させたりするなど対策を講じてきた。効果が一過性だったため「次の一手」を検討し、アナウンス放送を思い付いた。
協議会で防犯対策などを担う安全・安心特別部会事務局の佐藤裕介さん(41)は「客引きしづらい環境をつくることが重要だ。買い物客が安心できる商店街を目指したい」と話す。
客引き行為は道交法や風営法で一定の規制対象となっている。宮城県迷惑行為防止条例も腕を引っ張るなどの強引な客引きを禁じているが、執拗でない客引きは現状、対象外となっている。指定地域での客引きを全面的に禁止する京都市など他の政令市の条例を参考に、仙台市も客引き規制を強化する新条例の制定を予定している。