低価格の中国製携帯端末じわり浸透 ZTEなど機能絞りシェア向上

国内の携帯電話市場で、中国製端末がじわりと浸透してきた。今年1~3月ではZTE(中興通迅)やファーウェイ(華為技術)の出荷台数が1年前に比べ5倍以上に増加した。シェアは合わせて5%にも満たないが、高齢者や子供向け携帯、スマホ入門機などで機能を絞り、低価格とした点が受けているようだ。
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 調査会社IDCジャパンによると、今年1~3月の国内携帯市場でZTEのシェアは2.8%、ファーウェイは1.7%、出荷台数は計45万台余りだった。全体に占める割合は小さいものの、前年同期のシェアが計1%未満だったことと比べ大きく成長した。
 その原動力の一つが、事前に登録した相手にしか電話をかけられず、GPS(衛星利用測位システム)や防犯ブザーの機能を備えた子供向け携帯だ。ソフトバンクは昨年3月にZTE製を、NTTドコモも同11月にファーウェイ製を発売した。
 いまや「主戦場」となっているスマホでも、2社の勢力が広がっている。
 「性能の高さにこだわらない人も多く、一定のニーズをつかんでいる」と話すのは、東京・秋葉原の家電量販店の担当者。ソフトバンクが昨年末に発売したZTE製スマホ「STAR7」は主に初心者層を狙った機種だが、価格の安さや7種類の豊富なカラーが受け、売り上げは底堅いという。
 定額料金プランを売り物にするイー・アクセスのスマホは、ファーウェイ製が主力。今月には最新版OS(基本ソフト)の「アンドロイド4.0」を搭載した端末も発売した。
 両社とも日本での認知度は低いが、昨年のスマホ世界出荷台数はファーウェイが2000万台、ZTEも1500万台に上り、1000万台の大台を目指して海外展開を図る日本勢をはるかにしのぐ。IDCジャパンの木村融人アナリストは「最先端の高機能機種を求めるユーザーばかりではない。2社のシェアがさらに高まる可能性もある」と指摘する。(山沢義徳)

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