住宅再建の独自支援を拡充 盛り土など助成増 仙台市方針

仙台市は、東日本大震災の津波被害を受けた沿岸部の居住地再生で、被災者の個人負担を減らすために行う独自支援制度を拡充する方針を固めた。集団移転先の借地料の免除額、現地再建する際の宅地盛り土工事への助成をそれぞれ増額。新たなまちづくりを地域協働で進めるためのコンサルタント派遣なども行う。
 市が創設する「津波被災地域支援制度」は、住宅の新築や増築ができない災害危険区域を対象にした集団移転先の借地料を、被災前後の地価の差額や建物の流失前の評価額などに応じて免除期間を決める。
 昨年11月の概要発表時点で、市街化調整区域は500万円としていた上限を800万円に増額。免除期間の長期化が見込まれることが分かり、市街化区域とともに最長50年とした。
 制度は、危険区域外で浸水被害が予測される約2300世帯も支援対象に設定。移転先で住宅再建する際のローンの利子補給に加え、引っ越しや建物取り壊しなどの移転費用も78万円まで補助することにした。
 現地再建のため、震災時の所有者が50センチ以上の盛り土や基礎のかさ上げといった宅地防災工事を行う際、費用の9割を助成する。当初200万円としていた上限額を460万円に増やした。
 既存の集落などで住宅再建を進める際は、防災性の向上や地域コミュニティーの再生を図るため、都市計画や市街地整備の専門知識を持つコンサルタントを派遣し、まちづくり計画の策定などに取り組む。
 市街化調整区域に移転を希望する農漁業者のため、(1)危険区域内からの単独移転(2)危険区域外からの移転-も支援対象とし、仕事の再開を後押しする。
 支援制度は4月1日の施行を目指し、実施済みの工事にもさかのぼって適用する。全体事業費は約71億7000万円を見込んでいる。

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