原子力規制委員会の有識者チームは21日、原発事故が起きた際、1時間当たりの放射線量が500マイクロ・シーベルトとなった地域の住民に即時避難を求めるといった規制委の避難基準案に同意した。
24日の会合で正式決定した後、原子力災害対策指針の改定案に盛り込む予定。
基準案では、いずれも国際原子力機関(IAEA)が示す国際基準よりも厳しい数値を採用。数時間以内の即時避難を求める毎時500マイクロ・シーベルトの基準は、IAEAの毎時1000マイクロ・シーベルトよりも倍厳しくなっている。
また、住民に1週間以内の一時移転を求める基準は毎時20マイクロ・シーベルト(IAEA基準は毎時100マイクロ・シーベルト)、飲食物の放射能検査を求める基準は毎時0・5マイクロ・シーベルト(同1マイクロ・シーベルト)とした。
規制委は昨年12月、基準案を有識者チームに示したが、一部の有識者から「科学的根拠が不明確」「IAEAの基準を暫定的に採用すべきだ」といった慎重論が出たため先送りされた。このため規制委は今回の会合に、東京電力福島第一原発事故で避難対象となったり飲食物の摂取制限が行われたりした地域で実際に測定された放射線量を根拠として示すなどして同意を得た。