佐野氏デザイン賞品取り下げ 五輪エンブレム問題も「世論はもたない」

サントリービールは13日、同社のノンアルコール飲料「オールフリー」のキャンペーン賞品としてデザイナーの佐野研二郎氏(43)がデザインしたトートバッグの一部を、賞品から取り下げると発表した。キャンペーンは継続し、応募者には別の商品で対応する。

佐野氏は2020年東京五輪公式エンブレムを手がけたが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴに似ているとしてロゴデザイナー側が使用差し止めを求めている。 騒動を受け、五輪関係者は「商標権上の問題はないとしても著作権上の問題は残る」と指摘。五輪エンブレムについて「世論はもたない。取り下げも検討すべき だ」と話した。

サントリービールによると、トートバッグのデザインは広告代理店からの提案を受け、佐野氏のデザインを採用。12日に佐野 氏側から一部商品を取り下げたいとの申し出があった。取り下げたのは全30種類のうち8種類。「BEACH」の矢印、フランスパン、クロワッサン、麦をく わえた小鳥、サングラスなどのデザインで、インターネット上では「ネットに投稿された写真や既存の商品デザインに似ている」などの指摘が出ていた。

佐野氏はこの日、事務所の公式ホームページで「専門家を交え、事実関係などの調査、検討を開始しております」との談話を発表。「ネット上などにおいて、著 作権に関する問題があるのではないかと指摘が出ている」とし、デザインについては「いずれも身近にあるアイデアや素材をモチーフにした」と説明した。事務 所の広報担当者はデザインは事務所が受注、佐野さんは全体を監修する立場だったとし、週明けにも見解を発表するという。

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