毎日お風呂で体を磨いて清潔に保つ。これって基本的なマナーのようですが、そんな清潔な現代人の方が昔の日本人よりクサいらしい。さっそく制汗デオドラント治療の第一人者である、五味クリニックの五味常明院長を直撃! 先生、本当なんでしょうか?
「人間の体はアカがたまるとクサくなりますよね。昔はアカやホコリなど、主にニオイの元となるのは体の外に付着するものだったんです。でも現代人は昔と比べて汗をかかなくなったことで、汗腺機能が低下して、血しょう成分を含んだ濃度が濃くクサい汗をかくのです。また、肉食化が進み、腸内で分解されたたんぱく質がクサい分子となって汗に出るなど、現代人は体の中からもニオイができやすくなっています」
生活環境や食生活の変化に加えて、清潔志向も悪影響を及ぼしているという。
「実は体から不快なニオイを出す原因の1つは“洗いすぎ”です。皮膚の表面には表皮ブドウ球菌という常在菌がいて、悪い菌が繁殖するのを防いだり、皮膚免疫となって体をバリアしています。ですがこの菌は、お風呂やシャワーで70%くらい流され、さらに石鹸でゴシゴシ洗うと90%以上いなくなってしまうんです。すると黄色ブドウ球菌や真菌といった悪臭の元となる菌が繁殖しやすくなり、不快なニオイとなるのです」
では、日々のボディケアでの注意点を教えてください!
「合成化学石鹸は殺菌力も強いので使いすぎず、3日に一度くらいは“塩”で体や髪を洗うといいですよ。また、石鹸もなるべく自然素材のものを選んでほしいですね。もしそれでも汗のニオイが気になるようならニオイの元となるアンモニアを防ぐミョウバンを、アブラっぽいニオイが気になるなら皮脂腺から出る脂肪酸を防ぐ重曹を、少量粉にして石鹸に混ぜて使うことをおすすめします」
ちょっとした工夫ですぐに肌質がUPするそう。常在菌と上手につきあいながら、レッツ・ニオイケア!
(足立美由紀)
(R25編集部)
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