24時間周期で体内リズムを刻むのに必要な酵素を発見したと、京都大の研究グループが発表した。睡眠リズムを保つ薬の開発などに応用が期待できるという。米科学アカデミー紀要に22日、掲載する。
体内リズムを刻むために必要なタンパク質に「PER2」がある。この分解が進むとリズムが早まり、安定的に存在するとリズムが遅くなると分かっていた。PER2を分解する酵素は「CK1D」と名付けられ解明が進んでいたが、安定的に存在させる酵素については未解明だった。
薬学研究科の岡村均教授とジャンミッシェル・フスタ講師らは、マウスの細胞を使って、CK1Dと同じ遺伝子の領域から、約3%だけアミノ酸配列の異なる酵素が生じ、PER2を安定化させて生体リズムを遅くしていることを突き止め、「CK1D2」と名付けた。
岡村教授は「同じ遺伝子の領域から正反対の働きを持つ酵素ができることは驚きだ」と話す。今後、どのような仕組みで2種類の酵素が生成するのか研究を進めるという。