マグニチュード(M)9を記録した東日本大震災による巨大地震の余震は、減少傾向にはあるものの、震災3年となる現在も続いている。青森県から千葉県房総半島沖までの「余震域」で起きた震度4以上の余震は2月末時点で318回。直近3カ月でも8回と、震災前平均の約3.4倍に上る。影響は長引くとみられ、仙台管区気象台は警戒を呼び掛けている。
気象台によると、震災以降の震度1以上の余震の月別回数はグラフの通り。2月末時点で累計は1万580回を数えた。
震災直後の11年3月は月2941回あったが、昨年1月に93回と初めて100回を割り込み、ことし2月は72回と徐々に減っている。
それでも地震活動は震災前より活発だ。M5以上の余震は直近3カ月で17回で、震災前の平均の約3.6倍に上った。
1995年の阪神大震災や2007年の新潟県中越沖地震は、約1カ月~半年で余震が収まった。気象台の吉川一光地震情報官は「M7クラスの両地震とM9では破壊力が約1000倍違う。東日本で余震が多発する状況は10年レベルで続くだろう」と予測する。
昨年10月26日未明には福島県沖でM7.1(最大震度4)の津波を伴う余震があり、津波注意報が発令された。余震で東北地方に津波警報・津波注意報が出されたのはこの3年で8回に達した。
気象台が強く注意を呼び掛けるのは太平洋の日本海溝より東側で起きる「アウターライズ地震」だ。津波が大きくなりやすく、昨年10月26日の余震や1933年に約3000人が犠牲になった昭和三陸津波がこのタイプとみられる。
吉川情報官は「アウターライズ地震は震源が遠くて揺れが小さいだけに、特に警戒が必要だ。地震や津波に対する身の回りの備えを万全にしてほしい」と話している。