新型コロナウイルスの感染拡大で困窮する宮城県内の個人事業主、フリーランスの有志が「みやぎコロナ互助会」を結成した。収入や売り上げが落ちているものの、多くは県の休業要請対象外で支援の枠組みから漏れているのが実情。会は家賃補助などを求め、村井嘉浩知事宛ての要望書を提出する準備を進めている。
呼び掛け人は仙台市青葉区でブックカフェ「火星の庭」を営む前野久美子さん(51)。会社や組織に属さない個人事業主らの要望を行政側に伝えようと17日にインターネットで声を上げ、会を発足させた。27日までに約90人が賛同した。
要望書案では「無収入に近い人がたくさんいるが、家賃など固定費の支払いが続き困窮している」と主張。(1)店舗、事業所の賃料などの補助(2)休業要請対象か否かにかかわらず休業した小規模個人店や個人事業主、フリーランスへの補償-などを求める。5月1日に知事に提出する予定。
「取引先の経営難で仕事を失った」(デザイン業)「イベントがなく、撮影などの仕事がない」(映像制作業)「生活に困窮し、経営者、運営者の命も瀬戸際」(ピアノ講師)など、寄せられた悲痛な声も併せて伝える。
前野さんは「フリーランスや個人事業主などの小さな商いは地域の文化や魅力をつくっている側面もあるが、非常時には存在が見えにくい。必要な支援を講じてほしい」と話す。賛同人をさらに募り、寄せられた声を要望書に反映させる。
県は25日~5月6日、43業種に休業や営業時間短縮を求め、応じた商業施設などに市町村と共同で1事業者当たり一律30万円の協力金を支給する方針。仙台市なども上乗せ策を講じるが、要請を受けていない業者らはいずれも対象外となっている。
要望書案は火星の庭のホームページ(www.kaseinoniwa.com/)に掲載。賛同者は名前、居住する市町村、職業をメール(kasei@cafe.email.ne.jp)で伝える。要望書提出に先立ち、互助会は27日に県議会各会派に支援を求める陳情書を手渡した。