政府は15日、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにすることなどを盛り込んだ健康保険法を含む医療保険制度関連法改正案を閣議決定した。外国人労働者の増加が見込まれる中、健康保険を使える扶養親族の認定について、原則として国内に居住していることを要件に追加することも明記した。外国人による医療保険制度の不正利用を防止する狙いがある。今国会での成立を目指す。
法案は社会保障制度を一括して改正する内容で、対象の法律は計8本。
健康保険をめぐる扶養家族の要件見直しは平成32年4月に施行する予定。日本の社会保障制度は国籍による区別を認めていないため、日本人の扶養家族も国内居住要件が課される。ただし、留学生や海外赴任に同行する家族など、日本に生活基盤があり、日本に戻る可能性が高い場合は例外的に保険適用を認める。
また、マイナンバーカードでの代用は、患者にとっては保険証を持ち歩かなくて済むメリットがある。患者はカードを医療機関に提示し、カードの裏面に搭載されたICチップを窓口にある読み取り機にかざずと医療機関はオンラインで被保険者資格の確認をすることができる。医療機関は保険証に書き込まれている被保険者の情報を入力する手間を省くことができる。
オンライン資格確認の仕組みは33年3月から導入する予定。厚労省は医療情報化支援基金を創設し、医療機関や薬局に対しシステム整備にかかる経費を補助する。関連法案には世帯単位となっている健康保険証番号の個人単位化も盛り込んだ。