健康保険証に代わる「マイナ保険証」に申請しないとどうなる? 利用方法や注意事項まとめ

現行の健康保険証が12月2日から新たに発行されなくなった。その代わりに、マイナンバーカードを健康保険証として利用可能になった。マイナ保険証と称されるものだ。そこで、「マイナンバーカードは持っているけど、まだ保険証として登録していない人」に向けて、登録の方法や注意事項などをまとめる。

マイナンバーとマイナンバーカードは違う

 マイナ保険証について説明する前に、まずはマイナンバーとマイナンバーカードの違いをおさらいしたい。

 マイナンバーは日本国内に住民票を持つ人に割り振られる12桁の番号を指す。「所得や他の行政サービスの受給状態を把握しやすくし、不正給付などを防ぐとともに公平な支援を行うこと」「社会保険、医療などのさまざまな情報を効率よく運用し、行政機関や地方公共団体などにおいて情報の照合や入力にかかる時間や手間を減らすこと」「行政機関の持つ情報の確認や、お知らせなどの受信が行えること」などが目的やメリットとして挙がっている。

 マイナンバーカードは日本国内における行政関連手続きで個人を特定すべく、識別番号が付与されるプラスチック製のICチップ付きのカードを指す。マイナンバーカード所有者がキャッシュレス決済事業者を選択し、購入金額またはチャージ金額に対して一定額の特典が各決済サービスのポイントで還元されるマイナポイント事業の対象でもある。マイナンバーカードが手元になくてもその機能の一部を連携したスマートフォンで実行できるのも特徴だ。

マイナンバーカードは個人特定のための識別番号が付与されたプラスチック製のICチップ付きのカード。マイナ保険証はこれを健康保険証としても利用できるものだ

マイナ保険証って何? 利用前に申請が必要

 このマイナンバーカード1枚あれば、医療機関や薬局で健康保険証として利用できる。利用時には、顔認証付きカードリーダーで受付手続きをし、よりも正確な本人確認や過去の医療情報提供に関する同意取得などを行える。では、マイナンバーカードを既に持っている人が、健康保険証として利用するには何をすればいいのか。

 具体的には、顔認証付きカードリーダー、マイナポータル、セブン銀行ATMのいずれかからの申請が必要だ。

マイナ保険証はマイナンバーカードの所有が前提となる。マイナンバーカードを持っていない人は取得から始める(ステップ1)。持っている人は事前に申請を行う(ステップ2)

 顔認証付きカードリーダーは、医療機関や薬局に設置されている。顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置いて本人確認を実施すると、マイナンバーカードを保険証として利用するための登録手続きを機器のディスプレイで行える。そこで登録が完了すればそのまま利用できるが、申請完了までに時間がかかる場合がある。

医療機関や薬局に設置されている顔認証付きカードリーダーで、マイナンバーカードを健康保険証として利用するための申し込みや利用ができる

 マイナポータルでは、そもそもマイナ保険証を利用しているかどうかの確認ができる。まだ利用していなければ、マイナポータルからも手続きできる。マイナポータルにログインしたら、登録状況の「確認」→「未登録」→「登録」の順に進むと、登録中の画面に切り替わり、手続きが完了する。

マイナポータルからでも申請できる。スマートフォンを持っていれば、マイナポータルアプリを利用できる

 セブン銀行ATMからでも、利用前の手続きを行える。ここでは、マイナンバーカードの他に、利用者証明用パスワード(4桁)が必要だ。利用者証明用パスワードとは、利用者自身がマイナンバーカードを市区町村の窓口で受け取った際に、利用者証明用電子証明書に設定した数字4桁のパスワードを指し、マイナポータルログイン時に必要となる。

セブン銀行ATMから申請する際はマイナンバーカードと利用者証明用パスワード(4桁)が必要となる

申請完了後にはどのように使う?

 申請が完了すれば、前述の通り、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになる。受付は、ステッカーやポスターが掲示された、医療機関や薬局で行える。顔認証付きカードリーダーの読み取り口にマイナンバーカードを置き、認証方法を顔認証と暗証番号から選択し、機器のディスプレイの案内に従い、過去の健康医療情報を医師、薬剤師に提供することに同意する。

申請していない人はどうなる?

 マイナンバーカード未取得の人や、まだマイナンバーカードを健康保険証として利用する登録をしていない人には、マイナンバーカードによらず保険資格が確認できるように、自身が加入している医療保険者(勤務先や各自治体など)から「資格確認書」が無償で交付される。なお、自身でマイナ保険証の利用が困難な高齢者や障がい者は、申請することで資格確認書が交付される。

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 資格確認書を医療機関などに提示すれば、自身の自己負担割合(3割負担など)でこれまで通り保険診療を受診できる。資格確認書の有効期限は5年以内で保険者が設定する。様式は保険者によって異なる。

 冒頭で、現行の健康保険証が12月2日から新たに発行されなくなったと述べたが、現行の健康保険証が利用できなくなった、という意味ではない。12月2日以降はマイナ保険証がなくても、資格確認書でも医療にかかることが可能だ。

マイナ保険証を持っていなくても、資格確認書があれば医療にかかれる。資格確認書は、現行の健康保険証の有効期限が切れる前に、無償で発行される

 2025年12月1日までであれば現行の健康保険証もこれまで通り利用できる。ただし、それ以前のタイミングで退職などにより、健康保険の資格を喪失した場合は、そのときをもって利用できなくなる。後々になって慌てないよう、早めにマイナ保険証の申請手続きを行っておこう。

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