働きづらさ抱える人を支援へ 宮城県と日本財団がモデル事業で連携、障害者就労施設で訓練

県と日本財団は本年度、ひきこもりの人や刑期を終えた人ら障害者以外で働きづらさを抱える人向けの就労支援モデル事業を始めた。従来は利用できなかった障害者就労支援施設で訓練を受けられる仕組みを整える。成果を踏まえて国に制度化も働き掛ける。

 NPO法人わたげの会(仙台市太白区)が相談窓口を担う。本人の希望に応じ、県内10カ所の就労移行支援事業所や就労継続支援B型事業所で作業訓練などに取り組んでもらう。いずれも障害者向けの施設だが、定員の枠内で特例的に障害者以外の利用を認める。

 財団が2018年度に始めた「ワーク! ダイバーシティー」事業の一環。先行する千葉県、福岡県、岐阜市では支援対象者の43~62%が就労したという。財団の担当者は「宮城では30人程度の相談を受け付け、約7割を就労につなげることが目標」と説明した。

 施設利用料金など事業費4800万円は財団が8割、県が2割を負担する。

 17日に県庁であった発表会で村井嘉浩知事は「働きづらさを抱える人が活躍の機会を得ることを期待する」と述べた。財団の尾形武寿理事長は、モデル事業を踏まえた制度化を国に求めたいとして「村井知事は全国知事会長として国に働きかけてほしい」と期待を寄せた。

 連絡先は、わたげの会が運営する相談窓口「らしくワークサポーター」022(724)7990。

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