働き盛り世帯に「貯蓄格差」 4人に1人は「100万円以下」の悲惨

夏のボーナスシーズン、真っ只中。「何を買おう!」「いや、まずは貯金」「旅行に行こう!」などと、ボーナスの使い道に思いをめぐらせている人は少なくないだろう。

そうしたなか、楽天市場が今夏のボーナスの使い道を調査した。

「貯められる人」「貯められない人」二極化

楽天市場の「2017年 夫婦のお財布管理調査」(6月2~4日、30~40代の既婚者男女400人にアンケート調査を実施)によると、今夏のボーナスの使い道の1位は「貯蓄」だった(72.3%)。

2位は「生活費の補填」(31.1%)、3位「ローンなどの返済」(29.1%)と続いた。レジャーや旅行で思い切って使うという人は少なく、堅実に暮らす家庭が大半のようだ。

ただ、「うちはボーナスとは無縁だ」と、そもそもボーナスをもらえなかった人もいないわけではない。

とはいえ、1位が「貯蓄」と聞いて、気になるのはその貯蓄額だ。楽天市場の「あなたの世帯の貯蓄額は大体いくらですか」との質問に、「100万円以下」と答えた人は25%、「101?999万円」が50%。「1000万円以上」は25%だった。

4人に1人が「貯蓄100万円以下」である一方、4人に1人は「1000万円以上」と、二極化している。

さらに「貯蓄100万円以下」では「貯蓄50万円台以下」と答えた人の割合が10人に1人となり、生活費1?2か月分の貯蓄もない状況にある。

「101?999万円」という「中間層」の貯蓄平均額は565万1200円となったが、家庭によって、かなりの「貯蓄格差」があることがわかった。

働いてお金を貯められるのは38年間!

それにしても、なぜ、こんな格差が生まれるのか――。

楽天市場が、「貯蓄額1000万円以上」の人たちに「貯蓄のために一番大切だと思うこと」を聞いてみると、「衝動買いをしない」がトップで35.0%。2位は「給与入金時に貯金分を分けてしまう」で17.5%、3位は「通信費を見直す」の12.5%、4位「水道光熱費の使い過ぎに気をつける」「外食を減らす」がともに10%。6位「ポイントで支払えるものはポイントを利用する」が7.5%となった。

どうやら、「貯蓄の勝ち組」は衝動買いをせず、「先取り貯蓄」を実践。生活費のムダを徹底的に省いているらしい。

こうした傾向について、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢(ふろうち・あや)さんは、

「貯蓄のコツは、家庭の財政状況にあったお金の流れをルール化して、目先の金額の多寡にとらわれずに長期的な視点で取り組むことです。『頑張って我慢する節約』は頑張ることで達成感はあるものの、節約疲れを引き起こし、長続きしない場合も多いんです」

と指摘。そのうえで、

「貯蓄額が多い家庭は、『通信費・光熱費の削減』のために契約プランを見直したり、『ポイントを利用』したりして、普通に生活しても自然とお金が節約できる方法を上手に取り入れているといえます」

と語る。

夏場は冷房による電気代、シャワーによる水道代、夏休みシーズンの外食費、レジャー費など、家計を圧迫しがちな要素が揃っている。

「じつは人生の中で稼いで、貯金できる時間は38年間ほどしかありません。貯められる時間は短いのです。なかなか貯金ができない場合は、身の丈にあわない出費がないか、支出はないか、見直すことが必要です。まずは失業や病気などの有事に対応できる『生活費3か月分』を貯めることを目標に頑張りましょう!」(風呂内さん)

(KM)

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