働くお母さんに強い味方!時短型家電でゆとり増

 働くお母さんが増え、何かと忙しい女性たちが、料理をはじめとした家事をどう能率的にこなそうかと知恵を絞っている。こうしたニーズに応えようと時短型の家電、食品、調理器具が登場し、売り上げを伸ばしているという。時短と家電、家族のかかわりを見ていくと…。(川村達哉)
 リビングくらしHOW研究所が1月、全国の既婚女性510人を対象にインターネットで調べた。「時短のためのアイデアや、それが実現できる商品に興味があるか?」と聞くと、「とてもある」44・6%▽「少しある」48・5%▽「あまりない」6・1%▽「まったくない」0・8%という結果に。関心のある人が圧倒的だった。
 さらに、「どんなジャンルでの時短に特に興味があるか?」と尋ねると、1位が料理・食事作りとなった。2位は掃除と続く。一方、ベルメゾンの調査でも、モニター1224人のうち67・0%が「家事をする際、時短を意識している」と答えた。
 家電をテーマにした著作が多く、選び方、使い方を広く紹介している家電ジャーナリストの神原サリーさんは話す。
 「時短家電の代表格は、お掃除ロボットや食器洗い乾燥機、そしてオーブンレンジなどの調理家電です。オーブンレンジなら分かりやすいレシピがそろっているとか、商品そのものが使い方の提案もしていることがとても大事だと思います。時短に加え、この秋は家族や友人との絆やゆとりもキーワードに。“10分でできる本格レシピ”が人気を集めそうです」
 神原さんは女性が最も頭を悩ます調理の時短にオーブンレンジが効果的と指摘する。
 東京・秋葉原の家電量販店ヨドバシカメラ・マルチメディアAkiba店の家電フロア。オーブンレンジのコーナーには新型商品がびっしり並び、それぞれの特長がうたわれている。「やはり時短を意識されたお客さまが多いです。余熱をはじめ調理時間が格段に短くなり、お手入れも簡単な機種が人気。オーブンレンジの売り上げは、この4月から8月末まで前年同期比で124%と伸びています」と担当者は言う。
 パナソニックのオーブンレンジ「ビストロ」の企画に携わった同社商品企画グループの井上広美さんはふたりの娘さんの母親で、生活実感を生かしたという。
 「かつてオーブンレンジは調理時間が長く、焼けている感じがしなかったものです。そこで『フライパン並みの時間で、任せっきり』というコンセプトで光ヒーターシステムを企画しました。仕事で遅くなるとき、準備しておけば子供たちが自分で調理してできたてを食べられます」
 最新機種では、時短をさらに分かりやすく伝えるため、「10分でちゃんとごちそう100レシピ集」を商品に付けた。短時間で手軽に、しかもごちそうを作ろうというものだ。
 「グリル皿で仕切られて2段構造になり、上にヒーター、下にマイクロ波の装置があります。例えば上でサバの塩焼き、下でキンピラゴボウといった同時調理もできます。調理の10分間はビストロに任せて、その間ほかの料理の盛り付けやテーブルセッティングもできます。家族にもっと笑顔が増えると思いますよ」と井上さんは言う。
 おはしの進む季節。一家だんらん、食卓での会話がはずみそうだ。

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