元准教授「ネットで中傷」 横浜地裁が教え子に賠償命令

 インターネットの掲示板「2ちゃんねる」での書き込みで中傷を受けたとして、慶応大学湘南藤沢キャンパス(藤沢市)の元准教授が教え子の男性に約330万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が1日までに横浜地裁で言い渡され、志村由貴裁判官は「元准教授の社会的評価を低下させた」として、約180万円の支払いを命じた。判決は4月24日付。
 判決によると、在学中に元准教授のゼミに所属していた男性は2012年8~10月、元准教授について掲示板に「楽しそうにハラスメントしてんじゃねーよ」などと匿名で書き込んだ。
 男性側は、書き込んだ理由について「元准教授から不当な扱いを受けた」と説明する一方で、書き込みは一般的な表現で社会的評価は低下していないなどと主張。だが志村裁判官は、元准教授の名誉を毀損(きそん)したと認定。600近いサイトへの転載分も含めた慰謝料100万円のほか、書き込んだ人物の調査費用約70万円の支払いも命じた。
 元准教授側は、掲示板の管理会社やプロバイダー会社を相手に、書き込んだ人物の情報開示を求める仮処分や訴えを提起。東京地裁は昨年、プロバイダー会社に発信者情報の開示を命じ、男性の書き込みと判明した。

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