”元天才子役” 坂上忍が再ブレークしたワケ

バラエティー番組で引っ張りだことなっている元お笑いコンビ「猿岩石」の有吉弘行は、復活を果たして久しいが、昨年は華原朋美や遠野 なぎこなど復活芸能人の活躍が目立った。中でも“再ブレーク”までの期間の長さで他の追随を許さないのが、俳優、タレントとしてマルチな活躍を見せている坂上忍だろう。
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■子役時代から長期間を経ての復活
 坂上といえば、70~80年代に人気子役として活躍。女優の杉田かおるとともに、日本の芸能界におけるいわゆる“子役ブーム“の先駆け的な存在だった。その後、役者として地道な活動を続け、趣味である麻雀の腕活かしてフジテレビ系「THEわれめDEポン」などで存在感を放っていた時期があったものの、つい最近まで子役時代ほどのブレークに至ることはなかった。
 最近は、役者、子役をはじめとした後身の発掘、指導を手掛ける養成所の経営者兼講師としての顔を持つとともに、“毒舌キャラ”や“潔癖キャラ”がウケてバラエティー番組を中心に人気タレントとして再ブレークを果たしている。「ブスは嫌い」や「女は顔が命」といった歯に衣着せぬ過激発言は、つとに知られているが芸能評論家の三杉武氏は語る。
■”毒舌キャラ”は芸能界のトレンドの一つ
 「いわゆる“毒舌キャラ”に関しては、近年のバラエティー番組のトレンドの一つになっています。最近では有吉さんやマツコ・デラックスさん、西川史子さん、デヴィ夫人なんかが知られていますが、かつては野村沙知代さんもそうですし、泉ピン子さんもバラエティーでは毒舌で鳴らしています。ヤラセや慣れ合い、”おためごかし”といった予定調和的なものが疎まれる昨今にあって、過激な表現がウケているのかもしれません。もちろん、ただ毒を吐けば良いというわけではなく、そこには鋭い観察眼や他者からの共感性が不可欠ですし、的外れな発言は“炎上”の対象となるリスクもありますけど」
 そんな中、坂上は自宅にタオルを200枚以上も常備し、休日はちょっと外出するたびにシャワーを浴び、1日に約50枚のタオルを使うことやトイレ掃除に4時間近くをかけるなど、極度の潔癖キャラとしても広く知られている。■子役時代から紆余曲折 無頼派な生き様に共感
 個性をウリにする芸能人の中においても、ここまでキャラが立っている人物は珍しいが、坂上が注目を集める要因はほかにもあるという。芸能プロダクションの関係者はこう分析する。
 「坂上さんを語るうえで、欠かせないのは毒舌キャラや潔癖症キャラとともに、“生粋のギャンブラー”、“不遇の元天才子役”という点でしょう。過去には『1年間働いて稼いだお金を大晦日にボートレースで賭けて、当てたら翌年は仕事休み、ハズれたら仕事をしまくる』という発言を残していますが、そういった無頼的な生き方やストイックさに憧れを抱く人も多い。潔癖症という点も含めて、公私ともに破天荒なにおいを感じるから、公の場での毒舌も生きてくる。元天才子役ながら、若くして親の借金を肩代わりするなど不遇の時代を過ごしているのも大きいですね。有吉さんもそうですが、とくに近年は単なる“勝ち組”のスーパースターよりも、紆余曲折を経た“復活組”の方が支持される傾向にありますから」
 2014年も坂上の毒舌が芸能界に冴え渡りそうだ。

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