元子役「50代被害者」が顔出し告発…別事務所のタレントがジャニー喜多川氏に献上されていた!

「ジャニー氏による性加害は、何も元Jr.に対してだけではありません。私のようにジャニーズ事務所に所属していなかった少年も被害に遭っています」

そう語るのは、かつて故・ジャニー喜多川氏から望まない性行為を受けたという川崎誠氏(59・仮名)だ。現在、建設関係の職に従事する川崎氏は、12歳から都内の芸能事務所に所属し、子役として活動していた。

15歳の頃、知人女性のU氏から、「紹介したい人がいる」「すごく力のある人だから」と誘いを受けたのが、忌まわしい事件の始まりだった。

U氏は川崎氏の元担当マネージャーだった。川崎氏よりも約10歳上で、この時すでに事務所を退職。小さな芸能事務所を立ち上げていた。川崎氏とU氏は、当時、親密な仲だった。そんな彼女が川崎氏を新宿二丁目のバー「C」に連れて行ったのは、彼が16歳になった年の夏だ。

「客の男たちの強い視線を感じ、店は異様な雰囲気でした。ウリ専バーで、男が男を買う店だったのです。U氏は私の他に、自分の事務所に所属する10代の少年A氏を連れてきていました。A氏も私も、同性愛には興味がなく、こういう店に来るのも初めてでした」

暫くすると店に二人の男性が現れ、川崎氏らの隣に座った。一人はこの店のオーナー。もう一人は「力のある人」、つまりジャニー喜多川氏だった。ただし、彼がジャニー氏だと知ったのは数時間後のことである。

「歳は?」「今、何やってんの?」

ジャニー氏は川崎氏に、こう話しかけた。するとU氏が割って入り、「うちの事務所の子です」と嘘の説明を始めた。

「未成年でしたが、店ではクラッシュアイスにレミーマルタンを注いだ酒を何杯も飲まされました。ジャニー氏から、『(芸能の)仕事はどのくらいやってるの?』などと聞かれたことを覚えています」

深夜0時前、5人は店を出て、近くのゲイバーを次々とハシゴした。

「そろそろ部屋で飲み直さない?」

そう切り出したのはジャニー氏だった。

「4人乗りのRX-7の運転席にオーナーが乗ると、助手席にジャニー氏、後ろに私とA氏が同乗。U氏はタクシーでついてきました。渋谷を通過して、坂の上にあるマンションに着いた。部屋はメゾネットタイプで、1階にはリビング、2階には部屋が2つと風呂がありました。

リビングには、ジャニー氏自身を撮った写真がたくさん飾られていて、話の流れで、『彼がジャニー喜多川よ』とU氏から教えられたのです。

リビングで再び酒を飲みましたが、テレビでは無修正のAVが大音量で流れていました。そのうち、酔い潰れたU氏は2階に行って寝てしまった。するとジャニー氏が私に、『シャワー浴びなよ』とささやいたのです」

「男でもイケたでしょ」

川崎氏は、勧められるままシャワーを浴びた。すると突然、ジャニー氏が浴室内に侵入してきたというのだ。

「びっくりしましたよ。いきなり、『カラダ、洗おうか』とか言いながら、手で背中に触れてきたんです。『いいです!』と断って、慌てて浴室から出ました」

不穏な空気を感じた川崎氏だが、一方では2階にはU氏がいるという安心感もあったと振り返る。

「自分もこのまま寝てしまおうと2階の部屋に入った。マットレスが1枚敷いてあったので下着姿のまま横になりました。

酔っていたため、すぐ眠りについたのですが、股間をまさぐられている感じがした。そのうち穿いていたトランクスを脱がされました。私はU氏が触っているのだと思い込んでいました。突然咥えられたので目を開けると、自分の股間に顔をうずめていたのは……。

ものすごく驚きましたが、あっと言う間にイッてしまった。すると、ジャニー氏が股間から、『男でもイケたでしょ』と、私に話しかけてきたんです」

気持ち悪さと恥ずかしさが入り混じり、川崎氏は「帰ります」と部屋を飛び出した。すると、ジャニー氏が後ろから「タクシー代」と言って2万円を手渡してきたという。翌日、U氏に電話で昨夜のことを報告。すると彼女は、「そうだったんだ」「で、どうする?」とだけ答えた。

「この日の出来事はU氏、オーナー、ジャニー氏によって計画的に仕組まれていたんだと思います。事実、約半年後、ジャニーさんの案件だとU氏から仕事のオファーを貰いました」(川崎氏)

ジャニー氏は芸能界での優越的な地位を利用し、仕事が欲しいU氏のような芸能関係者に少年を献上させていたということか。その世話役は「C」のオーナーだったのではないのか。

FRIDAYは「C」の当時のオーナーを探し出して直撃した。すると、ジャニー氏が同店に来ていたことは否定せず、事件の夜は「記憶にない」として、こう続けた。

「確かに当時RX-7には乗っていました。あぁ、いろいろと調べてるわけですね。僕としてはジャニーさんのおかげで、こっちに飛び火するのも嫌なんですよね。表の話にはしたくないんです」

ジャニーズ事務所は、川崎氏のような所属歴がない被害者がいることについて、「弊社の業務に関連して(略)性加害の被害にあったという事実は、現時点では把握しておりません」と回答した。

川崎氏は「ジャニー氏の生贄になった元Jr.以外の少年は他にも多くいるだろう」と語った。

ジャニーズ事務所は、そうした被害者にも真摯に向き合うべきだろう。

取材・文:甚野博則(ノンフィクションライター)

『FRIDAY』2023年9月29日号より

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