元東北楽天社長から回転すし社長に 行列のできる人気店「塩釜港」託され

プロ野球東北楽天を運営する楽天野球団の社長を退任した立花陽三さん(51)が、塩釜市の人気回転すし店「廻鮮寿司 塩釜港」の運営会社社長に就任した。創業者で前社長の鎌田秀也さん(64)が常連客だった立花さんに持ちかけた。立花さんは国内外に店舗展開する方針を表明し、「塩釜港を日本一のブランドにしたい」と抱負を述べた。

大ぶりなネタが評判

 創業20年の塩釜港は地元で揚がった新鮮で大ぶりなネタが評判で、連日行列ができる人気店。宮城県七ケ浜町出身の鎌田さんは塩釜市魚市場の卸売会社に35年間勤務し、競り人などを務めて「目利き」の能力や人脈を培った。現在も魚市場に出向き、クロマグロなどを競り落としている。

 身を引く決心をしたのは昨年末ごろ。「年を取って店の将来のために若くて力のある人に任せたいと考え、塩釜港をずっと応援してくれた立花さんに今年1月に相談した」と明かす。

優勝祈願後に立ち寄る

 立花さんは約4年前、塩釜神社で優勝祈願をした後に立ち寄ったのをきっかけに球団関係者や友人を連れて訪れるようになったという。「出資するのはいいが、鎌田さんが抜けるならやりません」との返答を受け、店を離れることも考えていた鎌田さんが会長として支えることになった。

 3月30日に店を訪れた立花さんは「私自身が店の大ファン。飲食店の経営をしたことはなく、口を出す気は全くない。一緒にブランド価値を上げて素晴らしい会社にしていこう」と従業員に呼び掛けた。

 鎌田さんは「立花さんに言われて体が動くうちは頑張ろうと思った。塩釜港の名前が自分の代で終わらず、県外に出て行くのがうれしい」と喜んだ。

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