証券ライター 手に持ってるのは何だ?
投資顧問会社社長 大谷翔平さんの号外だよ。新橋駅で配っていた。今日はマーケット関係者も朝から大谷さんの話題で持ち切りだ。
ライター 最近の株式市場は明るい話題が少なかったからな。
社長 大谷さんも「50―50」を達成して大爆発したし、今日は株式市場も大きく上昇してるから、久しぶりに気持ちのいい朝だったよ。
ライター それはそうと、最近の株式市場の動きは少しおかしくないか? 先週はFOMC(米連邦公開市場委員会)で米国が0・5%の利下げを決めた。本来なら、米国株が上げて為替は円高(ドル安)に動くはずだ。それが、株式市場も為替市場もまったく逆の動きになってしまった。
社長 確かにな。0・25%もしくは0・5%の利下げが予想されていたわけだけど、結果は0・5%だった。日米の金利差がより縮まるわけだから、教科書的には円高(ドル安)になるはずだ。さらに、想定されていた中で最大の利下げ幅だったから、当然、株式市場は歓迎すべき場面だった。
ライター そうだろ。リアルタイムで日経平均先物をやっていたトレーダーは、「わけがわからん」て嘆いていたよ。
社長 後付けのように専門家たちは「織り込み済み」という言葉で片づけていたけどな(笑)。
ライター しかし、マーケットが教科書通りに動かないとなると、まさに丁半バクチの世界だ。正統派のトレーダーたちは、「やればやるほど負けていく」と言ってるよ。
社長 ただ、今年は多くの銘柄が3月に高値をつけている。信用取引の期日である半年が経過したことで、需給は改善されていくはずだ。米国の大統領選挙も控えているし、10月以降は株高が期待できるんじゃないか?
ライター 高値から6カ月経過で相場の転機か。それだって「教科書的には」だろ。今年に関しては信用できないよ。
社長 その気持ちは痛いほどわかる。実際、顧客からの電話も「なぜ? どうして?」という内容ばかりで、回答に困っているんだ。しばらく、キャッシュポジションを増やして、少し相場と距離を置いてみたらと提案するんだけど、これだけ乱高下していると、やりたくなっちゃうんだろうな。
ライター 少なくとも、信用取引などのレバレッジ(てこの原理)をかけた投資は控えめにしておいたほうがよさそうだ。失敗したときの損失が大きすぎる。株式市場から強制退場させられた投資家のSNSでのつぶやきをよく見かけるよ。
社長 知識やテクニックも必要だけど、相場と長く付き合っていくことが重要だ。一発の急落で退場させられないようにしないとな。