入国在留管理庁、来年4月に設置へ 入国管理局を格上げ

政府が進める外国人労働者の受け入れ拡大に対応するため、法務省は来年4月から入国管理局を格上げし、「入国在留管理庁」(仮称)を設ける方針を固めた。入国審査官らを約320人増員し、5千人超えの組織にする方針で、秋の臨時国会に関連法案を提出する。また、増員費用を含め、外国人の受け入れ拡大に伴う事業費として来年度予算の概算要求に約30億円を計上する。

法務省関係者によると、入国在留管理庁は長官をトップに次長や審議官2人を置くほか、「出入国管理部」「在留管理支援部」(いずれも仮称)を設ける方向で検討している。入管業務だけでなく、外国人の受け入れ環境の整備について関係省庁や自治体との調整も担う方針という。

留学生や技能実習生の増加に伴い、2017年末時点の在留外国人は約256万人と過去最多だった。政府はさらに、複数の分野の人手不足に対応しようと、一定の専門性や技能を持った外国人労働者を受け入れるための新たな在留資格を来年4月から設けることを決めており、在留外国人の人数は今後も膨らむ見通しだ。17年の訪日外国人旅行者数も過去最高の約2869万人を記録し、増加傾向にある。

こうした状況で、安倍晋三首相は7月、入国管理組織の抜本的な見直しを指示。法務省は現在の入国管理局のままで業務を進めることは困難だと判断し、組織の改編を検討していた。(浦野直樹)

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