全国のエリア別所得・金融資産を推計

 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、会長兼社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、2007年における全国約18万の町丁目※1ごとの所得額※2、ならびに金融資産保有額※3を推計しました。その結果、主要私鉄沿線別※4では京王井の頭線沿線が1世帯あたりの所得(709万円)、金融資産保有額(3,321万円)とも最も多いことがわかりました。(推計方法は参考資料)
●表1:世帯当たり年間所得・上位10路線 ●表2:世帯当たり金融資産・上位10路線
表1:世帯当たり年間所得・上位10路線 表2:世帯当たり金融資産・上位10路線
【世帯あたり所得 1位:京王井の頭線 2位:東急東横線 3位:東急目黒線】
 1世帯当たりの所得(表1)では京王井の頭線を筆頭に、東急東横線、東急目黒線、東急田園都市線、小田急小田原線という順番となり、いわゆる高級住宅街として人気の高い路線が上位に顔を揃える結果となりました。
【世帯当たり金融資産 1位:京王井の頭線 2位:東急大井町線 3位:東急池上線】
 1世帯当たりの金融資産(表2)では、所得と同様に京王井の頭線がトップ(3,321万円)となり、その後に東急大井町線、東急池上線、東急目黒線、京王線と続きました。
【高所得者は比較的若く集合住宅住まいが多い、資産家は高齢で持ち家一戸建が多い】
 世帯当たり所得ランキング上位と金融資産ランキング上位の比較をしたところ(表3)、所得上位の地域は、生産年齢人口や雇用者の比率が高く働き盛りであり、金融保険業・不動産業・情報通信業といった比較的所得水準の高い職業従事者の比率が高いことがわかりました。一方で金融資産上位地域は高齢人口が多く、同一住居への居住年数が20年以上の人口比率、持ち家比率、一戸建比率などが高いことがわかりました。これは、養育費やローン返済など資産形成を遅らせる要因が取り払われた人が多いことを意味していると考えられます。
●表3:所得水準の高い地域と金融資産水準の高い地域の比較
表3:所得水準の高い地域と金融資産水準の高い地域の比較
 NRIは、本調査結果を各種調査・マーケティング活動の基本情報として顧客企業を支援していく予定です。
※1 「東京都千代田区霞が関1丁目」のように丁目もしくは大字の単位のエリア。
※2 課税所得額ならびに総所得額の推計を実施。本文中の数字は総所得額ベース。
※3 金融資産は日本国内の金融機関への預貯金、貯蓄性の保険ならびに年金(貯蓄性生命保険・公的年金・個人年金)、有価証券(上場株式・公社債・投資信託)を対象とし、未上場企業への投資(出資金)や不動産は含まないものとする。貯蓄性保険もしくは年金は受給金額の期待値で計算している。また、推計結果は、最終的に日本銀行「資金循環統計・年計(2007)」の家計部門の2007年末時点での金融資産総額に合うように微調整している。
※4 国土交通省「第10回大都市交通センサス(2005)」において、東京・大阪・名古屋近郊のJRならびに地下鉄・モノレールを除く私鉄各線のうち、沿線全体の1日あたり乗降客数の多い路線上位40を集計対象とし、路線の各駅から半径1km以内に重心のある町丁目を沿線地域と定義した。
【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社野村総合研究所 広報部 墨屋、瀬戸 TEL: 03-6270-8100 E-mail: kouhou@nri.co.jp

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