全国初、制服にユニクロ採用 埼玉・大宮北高

さいたま市立大宮北高(同市北区)は新年度から、カジュアル衣料品店「ユニクロ」の既製商品を制服として採用すると決めた。現行の制服との選択が可能で、ユニクロを選んだ場合、価格は5分の1程度に抑えられる。ユニクロを展開するファーストリテイリングによると、学校の正式な制服への商品の採用は全国初となる。

現行の制服は、男子は黒色の学生服、女子は紺色のブレザーとボックススカートと決まっている。ただ、スラックスを希望する数人の女子生徒に対しては、市販の製品の着用を認めている。

ジェンダーレスの観点から多様性を尊重する考え方も踏まえ、学校側は制服を時代に合ったものに変える必要があると判断。在校生や保護者らへのアンケートなどを通じて「安価でシンプル、スマートな機能的標準服」というコンセプトをまとめ、これを満たすものとしてユニクロを選んだ。

制服を廃止する可能性についても議論したが、生徒らから「何を着ればいいか分からない」「家庭の経済事情が反映されてしまう」との意見が出たため見送ったという。

新たな制服は4月に入学する新1年生から選択することができる。指定されたユニクロのジャケット、パンツ、スカート、シャツとポロシャツの中から生徒が好きな組み合わせを選ぶ。現行の制服の購入費が5万円程度であるのに対し、ユニクロの場合は1万円程度でそろえることができる。

筒井賢司教頭は「教育費用の削減につながり、生徒が自分で判断して選ぶ力も身に付く。性別にとらわれないジェンダーレスの意識づけもできれば」と話している。

ファーストリテイリングによると、制服としての採用は大宮北高が初めてだが、三重県の公立中では、正式な制服とは別の「準制服」に選ばれているケースがある。(中村智隆)

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