全国初、無料巡回タクシー6月1日から運行 群馬県高崎市

6月から、JR高崎駅と中心商店街を結ぶルート上に乗降自由な無料タクシーを巡回させる群馬県高崎市は27日、導入車両を公開した。

 ルート上なら予約なしでどこでも乗降可能。市は「全国初の試み」として駅周辺のにぎわいを商店街に誘導しようと意気込むが、免許返上などでマイカーのない高齢者などからも歓迎されそうだ。

 6月1日から「お店ぐるりんタクシー」として、毎日午前10時から午後6時まで運行する。ルートは高崎駅西口から「大手前慈光通り」を走り、「中央銀座商店街」など7つの商店街をむすぶ1周約3・3キロ。所要時間は20分程度で、2台のタクシーが15分から20分間隔で巡回する。

 手を上げるなどの合図で何度でも利用が可能で、時間帯によっては車両禁止となるアーケード街でも「許可車両」の指定を受けて走ることができる。

 披露された車両は車椅子利用者1人を含めた定員5人のミニバン。ボディーには「お店ぐるりんタクシー」、「乗り降り自由」、「無料」の文字がデザインされた。商店街側も共通の「のぼり旗」を60本用意するなど積極的なPRを行っている。

 市は「全国初の取り組みで、全体の活性化につなげていきたい」と意気込む。南銀座商店街振興会理事長の横内厚子さん(60)は「年配の客の足が確保されることになり、ありがたい。さらに若い人にも利用してもらえるよう各個店が努力していくことが大切だ」と歓迎している。

 駅西口では、一昨年秋の「高崎オーパ」開業を機に新たなにぎわいが生まれたが、市の調査によると「高崎オーパ」や「高崎タカシマヤ」から出てきた客のうち中心商店街方向に向かったのは約8%程度で、駅から離れた商店街の活性化が課題とされてきた。

 「お店ぐるりんタクシー」の事業費は3950万円。富岡賢治市長は「駅周辺の人を街なかへ誘導するためには何でもやろうとした工夫のひとつ。効果がどう出るか見ていきたい」としている。

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