本年度の全国学力テストで小学校全科目が全国平均を下回るなど、宮城県の成績が低迷したことを受け、県教委は2日、学力向上対策を話し合う緊急会議を仙台市で開いた。授業の理解度を高めるとともに、家庭での学習時間を確保するため、学校ごとに目標値を定めて取り組みを強化する方針を確認した。
小中学校の教員やPTA関係者ら約40人が出席した。県教委の担当者が、テスト結果と生活習慣アンケートの分析結果を報告。「授業の理解度が高く、家庭での学習時間が長い児童・生徒ほど正答率が高い」と説明した。
各校の取り組みの紹介もあり、南三陸町の志津川小は、授業終了後にスクールバスが出発するまでの時間を学習などに充てていると報告。大河原町の大河原小は、春と冬に町独自に実施している学力テストの結果を授業方針に生かしていると紹介した。
東日本大震災で被害が大きかった沿岸部では、正答率が震災前より低下している傾向も見られた。
県子ども総合センターの本間博彰所長は「精神的に不安定な状況では集中力も低下する」と心のケアの重要性を訴えた。
高橋仁県教育長は会議後、「中長期的な対策を構築する必要がある。教室でできることはすぐに取り組んでほしい」と話した。