全国豊かな海づくり大会 宮城、初開催見送り

宮城県内で9月26、27日に初めて開かれる「第40回全国豊かな海づくり大会」を巡り、県が新型コロナウイルスの感染拡大を理由に開催を見送る方針を固めたことが9日、分かった。関係機関との調整を経て、10日にも正式決定する見込み。海づくり大会が開催されないのは、1981年の第1回以来初めて。
 関係者によると、県は対応策として大会規模の縮小を検討したが、3密回避や消毒といった予防策を会場で徹底しても、感染リスクを解消できないと判断した。首都圏で感染が再拡大するなど、現実味を増す第2波への懸念も影響したとみられる。
 2021年の大会は兵庫県、22年は北海道でそれぞれ開催されることが決まっている。宮城県は今後、2道県と協議し、宮城での開催について延期するか中止するかを詰める。
 今年の大会は石巻市が主会場で、県内外から招待者約3000人が出席する予定だった。天皇、皇后両陛下を招いた放流行事なども計画されていた。
 共催する「豊かな海づくり大会推進委員会」の事務局を担う全国漁業協同組合連合会(全漁連)の同意を得て、正式に見送りが決定する見通し。宮内庁にも既に開催が困難な状況は伝わっているという。
 海づくり大会や全国植樹祭、国民体育大会、国民文化祭への出席とそれに伴う地方視察は「四大行幸啓(ぎょうこうけい)」と呼ばれ、両陛下にとって毎年恒例の重要な公務。東北では青森(1990年)、岩手(97年)、福島(99年)、山形(2016年)、秋田(19年)各県で開かれた。

タイトルとURLをコピーしました