エフエム仙台(仙台市)が開局30周年を記念して制作したドキュメンタリー番組「明日があるさ 島の絆は消えず」が、全国FM放送協議会(JFN)の「JFN賞2013」で、大賞に次ぐ優秀賞を受賞した。東日本大震災で被災した宮城県女川町の離島、出島の人々が復興に向かう歩みを1年以上にわたって取材した。
55分間の番組の柱は震災時に出島にあり、ことし4月に本土の小学校と統合した女川四小の取り組み。当時の全児童5人と先生が、プロ奏者によるワークショップを経てバンドを結成し、音楽で島の人々を元気づけた。島に残る大人も伝統の祭りを復活させた。
2011年8月に始まった取材は、島外の仮設住宅に移り、バラバラになりかけた島民が絆を取り戻す試みを丹念に追った。
ナレーターを務めたエフエム仙台アナウンサーの石垣のり子さんは「ラジオでのドキュメンタリーは異例。震災の悲しい現実を乗り越え、復興に取り組む人々の温かい思いを伝えたかった」と振り返る。
JFN賞は企画とCMの各部門があり、エフエム仙台の番組は全国27局から計48件の応募があった企画部門で受賞した。番組は12年11月、東北6県で放送され、要望を受けてことし3月に県内で再放送された。