全県立高にエアコン「県民の声受け止めた」 宮城知事が正式表明

宮城県立高の普通教室へのエアコン設置率が低迷している現状を受け、村井嘉浩知事は13日の定例記者会見で、全校に段階的に整備する考えを正式表明した。県議会主要会派の緊急要望を踏まえ、「県民の声に耳を傾けることが重要と判断した」と述べ、これまでの消極姿勢を一転させた。
 関連予算を含む2020年度一般会計補正予算案は21日開会の県議会7月臨時会に提出する方針。技術職員の不足などで設計に時間がかかるため、設置時期は来年度以降となる。段階的に整備し、数年内に全校の普通教室に導入される見通し。
 村井知事は県政与党会派の自民党・県民会議と公明党県議団、21世紀クラブによる要望に言及。「議会の約3分の2の要望。他会派も同じ意見だった。これはまさに県民の声だと受け止めた」と語った。
 新型コロナウイルス対応のため配分された国の地方創生臨時交付金を充当できる点も背中を押したと説明。県の休業要請に応じた事業所への協力金の支給が想定より少なく、財政調整基金を取り崩さずに済んだ分を充てる方針も示唆した。
 これまでの消極姿勢については「財政的理由が大きい」と回答。県教委が試算した全校への整備費は約56億円。「一度設置して終わりでなく、いずれ更新時期が来る。現職知事として、将来の負担を考えると踏み切れなかった」と説明した。
 文部科学省の19年9月時点の調査によると、県立高の普通教室へのエアコン設置率は全国で3番目に低い3.6%。全国平均の83.5%を著しく下回り、保護者らからは生徒の健康や学習への悪影響を指摘する声が相次いでいた。

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