仙台市議会は19日、全議員55人に来年度、タブレット端末を1台ずつ貸与する方針を決めた。予算書や議案書のペーパーレス化を図り、環境負荷軽減と議員活動の効率化を進める。関連費850万円を来年度当初予算案に計上してもらう。
主要6会派でつくるICT推進検討会議で合意した。議会事務局用を含め計65台をレンタルする。文書共有システムを利用し、タブレットで予算書などが見られるようにする。まずは本会議や常任委員会、予算・決算等審査特別委員会への持ち込み、使用を認める。
会議中以外はインターネットに接続し、情報収集に使うこともできる。会議日程の調整、災害時の緊急連絡などは端末に搭載するチャットアプリで行う。
議会事務局によると、2019年度に計4回あった定例会で、議員55人に配布された資料の総数は約10万枚に及ぶ。ペーパーレス化した場合、印刷代などの経費削減効果は少なくとも258万円と試算する。
全国の20政令市議会では千葉、川崎など7市議会がタブレット端末やパソコンで配布資料を共有し、ペーパーレス化を図っている。
検討会議は3月に発足し、タブレットの操作体験会も開くなどして議論を重ねてきた。今後は具体的な導入時期、閲覧可能にする配布資料の種類、利用ルールなど詳細を話し合う。
座長の嶋中貴志副議長は「新型コロナウイルスでデジタル化の遅れが浮き彫りになった。議員も時代の変化に即応する必要がある。詳細を詰め、効率的な活動につなげたい」と話した。