公取、出店者に事情聴取始める 楽天送料無料方針で 優越的地位乱用か

楽天が通販サイト「楽天市場」で一定額以上の商品の送料を無料とする方針を決めた問題を巡り、公正取引委員会が、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで出店者らに事情聴取を始めた。関係者への取材で明らかになった。

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 楽天は、税込みで3980円以上の商品を購入すれば送料を無料にするサービスを3月18日から実施することを決定している。これに対し、出店者からは「商品価格に転嫁されることになり、利益を削る競争が激化する」といった反発の声も根強く、出店者の一部は任意団体「楽天ユニオン」を設立。今月22日には独禁法に基づく調査を求めて公取委に署名を提出していた。

 独禁法は、企業が強い立場を利用して取引相手に不利益を与える行為は「優越的地位の乱用」に当たるとして禁じている。送料の無料化はまだ実施されていないが、公取委は、無料化に伴う規約の変更などは一方的だとして優越的地位の乱用に当たる可能性があるとみている模様だ。

 公取委は2019年、「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業を巡り、規約の一方的な変更による手数料の引き上げなどは独禁法違反の恐れがあるとの調査報告を公表している。【渡辺暢】

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