楽天の措置が独占禁止法違反にあたるとして22日、楽天の出店者らが署名を提出したことを受け、公正取引委員会は近く調査に入る。
政府はシェアの高い巨大IT企業が、一方的に取引事業者との契約条件を変更し不利益を与えることは、独禁法違反の優越的地位の乱用にあたるとの考えを示している。公取委は、今回の楽天のケースが独禁法違反にあたるかを慎重に調査する方針だ。
公取委の菅久修一事務総長は22日の定例記者会見で「一般論」と断った上で、「オンラインモール事業者が出店者に対し優越的で、不当に不利益を与えるやり方で取引条件を変更すれば、優越的地位の乱用にあたる可能性がある」と指摘。その上で、今回のケースは「事実をみないと分からない」と述べ、調査を進めて適切に対処する考えを示した。
公取委は楽天の取引実態を調査し、独禁法違反と判断すれば、警告や当該行為をやめさせる排除措置命令といった行政処分を科すことを検討する。ただ、その場合でも、調査には一定の時間が必要なため、楽天が送料を無料にする3月に間に合わない可能性がある。
ネット通販(オンラインモール)では、出店者側はシェアの高い楽天やアマゾンなど巨大IT企業のサービスを使わざるを得ない。こうした力関係の差が、不公正な取引の温床になっているとされる。
公取委が昨年実施した実態調査では、楽天によって規約を交渉なく「一方的に変更された」と答えた出店者は93%にも達し、アマゾンの73%、ヤフーの50%を大きく上回った。