公取委が“下請けいじめ”の社名公表…デンソー、豊田自動織機、佐川急便など価格転嫁せず

ロシアによるウクライナ侵攻や歴史的な円安などの影響で、原燃料費や人件費といったコストが上昇しているのに、下請け企業との取引価格に適切に転嫁しなかったとして、公正取引委員会が、トヨタグループのデンソーや豊田自動織機、佐川急便など13社・団体の会社名を公表した。

トヨタbZ4X、スバル・ソルテラに採用された、デンソー製エコヒートポンプシステム

きょうの日経などが「価格転嫁13社協議せず」などと、詳しく報じているが、社名まで公表された13社は、多数の取引先に対して取引価格の見直し協議に応じないで、受注者側から「価格を据え置かれた」との指摘が特に多かったという。

こうした下請けいじめともみられる上から目線のパワハラ行為は、独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用」につながる恐れがあると判断。コスト上昇が多くの中小企業の経営に影響を与えている中で、立場が弱い下請け企業が望む価格転嫁が十分に進んでいないとみて、社名の公表に踏み込んだそうだ。また、中小企業の経営を安定させて、岸田政権が掲げる「成長と分配」における賃上げや成長投資につなげる狙いがあるとも見受けられる。

日経によると、デンソーは「より一層、価格交渉の場で明示的に協議するとともに、法令順守の徹底に取り組む」とコメント。佐川急便も順次、協議を申し入れているとして「再発防止に努める」と回答したとも伝えている。

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