解体工事が行われた17府県の公営住宅約1万8000戸のうち、約1000戸で入居者が違法に部屋などを増築していたことが会計検査院の調べでわかった。解体には国の交付金が充てられるが、検査院は30日、こうした「無断増築物」の撤去に交付金を使うべきではないとして、国土交通省に対し、現状を把握した上で入居者に原状回復させるよう求めた。 【写真】誰が設置したのか「勝手橋」
公営住宅法は、自治体の承認なく公営住宅に部屋を増築することを禁じている。
検査院によると、低所得者に賃貸で提供される公営住宅は全国に210万戸以上ある。検査院が2018~22年度の解体工事を抽出調査したところ、無断増築物は約1000戸あり、このうち約800戸の撤去に約5900万円分の交付金が使われていた。