公道「カート」業者摘発、無免許外国人に貸した疑い 観光客に人気

 「カート」を無免許の外国人観光客に貸し出し、公道を運転させたとして、警視庁が、都内のレンタル業者の責任者を道路交通法違反(無免許運転車両提供)の疑いで書類送検していたことが捜査関係者への取材でわかった。

 レンタル業者のこうした摘発は異例だという。同庁は、重大事故を招きかねなかったとして、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

信号待ちをするレンタルカート。乗っていた外国人とみられる男性が、スマートフォンを操作していた=2024年10月9日午後5時36分、東京都港区、三井新撮影(画像の一部を加工しています)

 書類送検は9月3日付。カートは遊園地のゴーカートのような見た目で、レンタルサービスが外国人観光客に人気がある。道交法で「普通自動車」に分類され、運転免許が必要だ。レンタル業者は国際免許に関するルールの周知が徹底されていなかったといい、安全対策の不十分さが浮き彫りとなった。

■無免許運転で物損事故か

 捜査関係者によると、書類送検されたのは、大田区にある会社のレンタルカート事業の責任者の40代男性。4月、日本で有効な国際運転免許証を持たない外国人観光客2人にカートを1台ずつ貸し、公道で運転させた疑いがある。

 2人のうち1人が物損事故を起こし、無免許運転が発覚した。駆けつけた警察官に道交法違反(無免許運転)の疑いで現行犯逮捕されたという。

 2人の国籍はジュネーブ条約に加盟していない国で、その国が発行する国際運転免許証を持っていたとしても、日本では運転できない。書類送検された男性はこうした仕組みについては把握していたが、現場の従業員への指導が徹底されていなかったという。この会社は今月9日、朝日新聞の取材に「お話しすることは一切ありません」と答えた。(三井新、吉村駿)

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