”六重苦”に負けず1人気を吐く富士重工業

円高や自由貿易協定への遅れ、高い法人税率など六重苦に苦しむ国内自動車メーカーのなかで中堅メーカーの富士重工業(車名ブランド・スバル)が気を吐いている。北米や日本での好調な新車販売に加え、原価低減活動が奏功し過去最高益を更新する見通しだ。
富士重工は10月30日、今2013年3月期の営業利益の見通しを上方修正した。修正後の計画は売上高1兆8400億円(前期比21.3%増)、営業利益820億円(同86.5%増)。従来計画から、売上高は200億円落としたが、営業利益は150億円積み増した。
牽引するのが北米市場での好調な販売だ。今期のグローバル販売台数の見通しは71.4万台(前期は63.9万台)だが、その半数を占めるのが米国の販売台数である。
従来計画では米国における12年の販売台数を32.4万台としていたが、今回の決算にあわせて34.8万台に上方修正した(昨年の販売実績は28.0万台)。好調なのが昨年12月に発表した新型「インプレッサ」だ。さらには最量販車種の「レガシィ」の販売も順調だ。
好調な米国での販売について吉永泰之社長は「商品そのものが高い評価を受けていると同時に、価格競争に巻き込まれていない」のが好調な要因と述べる。米国でのインセンティブ(報奨金)は1台あたりの平均が現状2400ドル台で推移するのに対し、「スバルは800から900ドルぐらいと業界平均の3分の1に抑えられている」(吉永社長)。

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