共生の海へ 「集団操業」第1陣出港 気仙沼

東日本大震災で甚大な被害が出た宮城県気仙沼市の近海マグロはえ縄船の船主らが1日、全国でも例がない「集団操業」を始めた。これまで競争相手だった船主が数隻ずつタッグを組み、出港から水揚げまでを一体的に行い、経営の立て直しを図る。
 第1グループとなる3隻の近海マグロはえ縄船は午前11時、気仙沼港を出港。岸壁では、大勢の漁船員の家族らが小旗を振って見送った。
 「第17福洋丸」(148トン)の小山豊志漁労長(63)は「3隻が協力して漁を行い、事業を成功させたい」と話した。
 集団操業は国の補助事業を活用し、近海マグロはえ縄船の船主でつくる気仙沼市の気仙沼遠洋漁協(斎藤徹夫組合長)が2014年度までの3年間行う。
 各船がばらばらに行う操業形態を改め、計13隻が3、4隻ずつ四つのグループを編成。漁場探索や水揚げを一体的に行う。約1週間後には第2グループが出漁する。
 1989年に65隻あった同漁協の近海まぐろはえ縄船は、資源の減少や燃油価格の高騰などで減少傾向が続き、現在は15隻となった。
 斎藤組合長は「これ以上船を減らさないようにするためには、一匹おおかみ的な操業形態では無理だ。多くの魚を気仙沼市魚市場で水揚げし、地域の復興に寄与したい」と話している。

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