韓国国会では3日夜、軍の兵士が窓を割って中に突入する様子が見られ、国会議員や市民からは1980年代以来、同国の民主主義に対する最も深刻な挑戦に抗議の声が上がった。韓国の尹錫悦大統領は翌4日、戒厳令を解除し国会による投票結果を尊重すると発表した。 尹氏は3日夜の緊急テレビ演説で、野党が国を危機に陥れていると非難した上で、「反国家勢力」を撲滅するとして戒厳令を宣言。これに反発した国会は議員300人のうち190人が出席して解除要求決議を採決し、全員の賛成で可決していた。 聯合ニュースによると、政府は4日早朝の閣議で戒厳令解除を決定した。 国会前では抗議していた人々が「われわれは勝利した」などと声を上げた。野党・祖国革新党の曺国代表は「まだ終わっていない。(尹氏は)全国民に衝撃を与えた」と述べ、他党と協力して大統領を弾劾する考えを示した。 尹氏は支持率が20%前後と低迷しているほか、同氏が率いる与党「国民の力」は4月の総選挙で大敗し、野党が国会の多数を握っている。