円安で困窮の日本人留学生に為替上昇分補填へ…政府、奨学金支給対象の約2100人支援

急激な円安により海外での生活に困窮する日本人留学生を支援するため、政府は国費による給付型奨学金の支給対象者のうち約2100人に現地通貨の上昇分を補填(ほてん)する方針を決めた。文部科学省は今年度の第2次補正予算案に4億円を計上した。

 奨学金は円で支給され、為替変動の影響を受ける。米ドルは昨年より円建てで3割ほど上昇した時期もある。文科省によると、授業料や生活費がかさみ、留学生から「やり繰りが厳しい」との声が相次ぎ、日本学生支援機構を通じて留学を継続するために必要な経費の一部を支出することにした。

 支援の対象者は、円建てで通貨が昨年より15%以上高くなった国で学ぶ留学生。1年以内の留学生は月額6万~10万円の奨学金を、学部や大学院などの正規課程で学ぶ留学生は年間上限250万円の授業料を現地通貨の上昇割合分、引き上げる。米国の大学の正規課程で学ぶ、授業料250万円の留学生への年間支給額が67万円増えるのが最高。同機構が9月、留学生に実施した調査では「生活費が月に最低30万円かかる」(米国)、「インフレで学費が250万円で収まらない」(英国)などの声があった。

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