円安は急速で一方的、あらゆるオプション排除しない-神田財務官

(ブルームバーグ): 神田真人財務官は26日、外国為替市場での円安進行について「足元は急速で一方的だとみられる。行き過ぎた動きには適切に対応したい」と述べ、あらゆるオプションを排除しないとの認識を示した。財務省内で記者団に語った。

神田財務官は、「投機的なポジションが積み上がっている」など市場の声を例に挙げ、相場動向を「高い緊張感を持って注視する」と指摘。介入を含めて「どんな場合でも、あらゆるオプションがアベイラブル(利用可能)であって、何かを排除しているわけではない」と語った。

鈴木俊一財務相はこれまで足元の為替動向について「為替の動向を注視している」「必要であれば適切に対応していく」などの発言にとどめていた。神田財務官は同日のコメントで、週末にかけての欧米市場での急激な円安の進行を受けて一歩踏み込み、介入も辞さない姿勢を明確にした。

前週末23日の海外時間は日米の金融政策の方向性の違いを意識したドル買い・円売りが続き、一時143円87銭と昨年11月以来の水準まで上昇した。26日朝の東京外国市場では、神田財務官の発言後、円が対ドルで1ドル=143円70銭近辺から143円台半ばに上昇した。

ドル・円は143円台半ば、神田財務官のけん制発言受けてやや円買いに

他の発言

政府・日銀は昨年9月、円が一時1ドル=145円台後半まで急伸したことを受け、24年ぶりの円買い介入に踏み切った。10月には151円台後半と約32年ぶりの円安水準で過去最高の5兆超規模の介入を行った。これを受け、市場では145円と150円の水準が介入警戒ラインとして意識されている。

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