山梨県の富士河口湖町が外国人観光客に人気の撮影スポット「富士山ローソン」に目隠し幕を設置したことは、世界各国で報じられた。SNS(交流サイト)では「悪い連中のせい」「ごみが少し増えるのが、そんなに大ごとか」など是非論が白熱している。 【写真】反対側の歯科医院前の歩道で「富士山ローソン」を撮影する外国人観光客 「富士山ローソン」は、コンビニエンスストアの屋根越しに白い山頂が写ることから、記念撮影に訪れる外国人が絶えなかった。ごみのポイ捨てなどの迷惑行為も相次ぎ、町は地元の苦情に対処して、先月末に目隠し幕の設置工事を始めた。 米CNNは「こんな決定をせねばならないのは残念」という地元当局の声とともに、富士山は「ごみの山」と呼ばれるほどオーバーツーリズムが問題になっていると報道した。フランス公共放送は、「問題解決の手段だとしても、最良策ではないね」と戸惑う観光客の様子を伝えた。そのうえで、新型コロナウイルス禍明けの日本では外国人観光客が急増し、トラブルが頻発している現状に触れた。京都では芸妓(げいこ)を追い回す迷惑客がいると紹介した。 SNSでは、「観光客は訪問国に敬意を払え。私が日本に行く前に、悪い連中のせいでだいなしになる」とマナー欠如に怒る英語の発信がある一方、「ちょっとゴミが増えるのが、そんなに大ごとか」の声も。「日本のオーバーツーリズムは円安で観光に割安感が出たせい。円安が解消されないと、解決できない」という分析もあった。 アジア人と欧州人のものと思われる「舌戦」もあった。「インド人として、日本の美を尊重しない白人に怒りを感じる」という意見に対し、「欧州の史跡には長年、記念写真好きの日本人の群れが殺到し、住民は悩まされてきた。日本の問題は最近のことだろう」という反論が出た。