夏場に需要がピークになるにもかかわらず、いま売れている白物家電が増えている。高機能化が進み、一年中使える製品として、メーカーがさまざまな使い方を提案し始めたことが背景にある。テレビに代わる収益源として、メーカーの期待は膨らむ一方だ。
シャープは低速で食材を押しつぶすジューサー「ジュースプレッソ」の販売を強化している。硬いショウガやゴボウ、粒状のゴマなど使える食材が多く、スープやお汁粉など冬向きのレシピを紹介しており、「健康や美容に関心の高い女性を中心に夏と同じペースで売れ続けている」(同社)という。
美容家電では、パナソニックの除毛器「光エステ」が好調だ。毛根に特殊な光を当てることで、むだ毛が生えにくくなる効果が期待できる。「一般的な除毛器の冬場の販売量は夏場の4分の1しかないが、この製品は冬に入っても売れている」(同社)という。
エアコンや暖房器具の売り場では、節電のため、扇風機を併用する提案がされている。「天井付近にたまりやすい暖気を足元に送る効果」(シャープ)があるためだ。この効果を高めるため、東芝の「サイエント」シリーズやシャープの「3Dファン」シリーズは垂直方向にも首が動く。
日本電機工業会によると、昨年の白物家電の国内出荷額は2兆1942億円で、デジタル家電(1兆6054億円)を10年ぶりに逆転した。