蒸れにくく、着けて涼しい夏用マスクの自動販売機が、岡山県倉敷市の「児島ジーンズストリート」の一角に登場し、人気を呼んでいる。
販売するのは、自動車シートの縫製を手がける「渋谷商店」(倉敷市児島下の町)。マスク不足を受け、3月下旬に渋谷敏夫社長(62)自ら製造。4月からインターネット上で販売し始めた。5月に入り、従業員から「今のマスクだと夏は暑い」と声が上がり、夏用を開発した。
100種類以上の試作を経て完成。メッシュ生地を綿と、口に直接当たるシルクで挟み、蒸れを少なくした。せっかくだから冷やして売ろうと考え、飲料用の自動販売機を新たに購入。多い日だと150枚以上売れ、生産が追いつかないこともあるという。
サイズは幼児用(縦9センチ、横13センチ)から大人用(縦14センチ、横21センチ)まで4タイプで400~850円。青やピンクなどカラーは5種類あり、手染めで仕上げている。手洗いすれば繰り返し使える。渋谷さんは「コロナ禍で減った観光客の呼び水にもなれば」と話す。(田辺拓也)