凸版と東北大、デジカメ画像から全自動で3Dモデルを生成できる画像処理技術を開発

 凸版印刷と東北大学は18日、デジタルカメラで撮影した画像から、全自動で三次元形状モデルを生成できる画像処理技術を、共同開発したことを発表した。
 凸版印刷はこれまで、仏像や建築物など立体形状を持つ文化財を対象に、レーザーレンジスキャナやハンディタイプの3Dスキャナなど高価な専用機器を用いた三次元計測を実施し、データを記録している。しかしレーザーレンジスキャナは広い空間がないと測定できず、ハンディタイプの3Dスキャナは、専用機器を扱うための特別な技術が必要であるといった課題があった。
 今回、東北大学(大学院情報科学研究科 青木孝文研究室)が開発した「位相限定相関法」をベースとして、凸版印刷と東北大学で「多視点ステレオ技術」を共同開発。民生品のデジタルカメラで撮影した画像のみを用いて、対象物の立体的な形状モデルを、高精度かつ自動的に生成可能とした。色情報の取得もできるという。
 凸版印刷は、本技術の有効性を検証するため、2014年2月に瑞巌寺(宮城県宮城郡)本堂内の欄間木彫を、民生品デジタルカメラで撮影。高価な専用機器を用いることなく、ハンディタイプの3Dスキャナと同程度の高い精度を実現したとしている。

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