女川町は2日、町の離島・出島と本土を結ぶ「出島架橋」の完成の見通しが立ち、橋が12月19日に開通すると発表した。橋の名称は「出島大橋」。当日は記念式典などを行って開通を祝う。
橋の全長は364メートル。総事業費は約170億円。開通日は出島・寺間地区の住民を含めた関係者で記念式典を実施。東松島市の航空自衛隊松島基地所属の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」による展示飛行などを予定している。
開通時刻は調整中で後日、町の広報誌やホームページなどで公表する。
町は開通後も、漁港へのトイレや駐車場の整備などを進める。町建設課の担当者は「島を訪れる人は確実に増えるので、釣り人と漁業者との間でトラブルが起きないようにしたい。ほかにも、島在住者と訪れる人の両者が利用しやすい環境を整えていく」と話した。
出島架橋は40年以上前からの住民の悲願。2014年度、町が主体となって事業を進める方針を決め、翌15年度の政府予算で詳細設計費などが配分され、事業化が決まった。
17年から橋の本体工事が行われ、架橋作業は昨年10月25日から3段階に分けて実施、11月に本土と島に橋が架かった。以降は町道の舗装などを行っている。
島へのアクセスは現在1日3便の航路のみで、出島大橋の開通により、町中心部から車で15分ほどで行けるようになる。観光振興や災害時の避難道路としての活用が期待される。